コラム
2024/03/22
【展示会・金型・印刷デザイン担当者様へ】バイオマスマーク使用時に気を付けたいこと①基本編
目次
一般社団法人日本有機資源協会(JORA)から、バイオマス原料を使用した製品として認定を受けたことを示す「バイオマスマーク」。
このマークにより、環境に配慮された素材を使用した製品であることが一目でわかります。
また、該当の製品を提供する企業・団体の姿勢をユーザーへアピールすることにもつながります。
諸々の手続きを踏んで申請し、費用をかけ、やっと取得できたバイオマスマーク。
製品自体に刻印として入れたり、印刷で載せたり、WEBサイトや展示会のパネルに掲載したり…、いろんな使用シーンが想定できますよね。
しかし、バイオマスマークの使用に関してはきちんとルールがあり、どんな形で使っても良いわけではありません…!
本記事では、バイオマスマーク取得製品を複数もつ当社の経験をもとに、
「どんなことに気を付けなければならないか?」「どういったトラブルが発生しうるか?」
など、担当者の視点でお伝えできることをシリーズで発信していきたいと思います。
はじめに、協会が公開している使用ルールをチェック!
バイオマスマークの使用ルールについては、協会がWEB上に公開している資料があります。
まだ目を通していない方は、まず最初に、下記「バイオマスマーク事業諸規定」ページ内の下の方にある「(参考)マーク表示ガイド」PDF資料を確認してみてくださいね。
※こちらをクリックすると別タブで開きます:https://www.jora.jp/biomassmark/info/
コバレジくん
まずはマークの認定元が出している情報をチェックするレジ!
本記事では、協会の公開している表示ガイドをひととおり確認していただいていることを前提としています。
マークを実際に使用される皆様には補足解説として、またマーク取得を検討している段階の皆様にはマークの基本的な取り扱い方法のご紹介として、お読みいただけますと幸いです。
デザイン案の段階で、協会から承認をもらう
協会の公開する「バイオマスマーク表示ガイド」p.2には、「使用契約者の責任管理のもと運用される」とあります。
この「使用契約者」とは、該当バイオマスマークの取得時に、協会へ申請を出した人(会社)のこと。
基本的に、この「使用契約者」の目の届く範囲でマークは表示・使用されていなければなりません。
例えば、食品メーカーが、バイオマス認定商品のフィルムを使ったパッケージで新商品を販売するとき…
「使用契約者」
=協会とバイオマスマーク使用契約を結んでいるフィルムメーカー
「使用者」
=食品会社
といった状況が考えられるね。
HP担当者
コバレジくん
パッケージデザインは、実際には食品メーカーではなく、外部のデザイン会社が行っていることもあるレジね。
デザイナー側からすると、「バイオマスマーク 表示ルール」等でネット検索すれば出てくるものの、もしそんな重要なルールがあるのなら、わざわざ自分で確認しないといけないのは少し手間レジよね。
デザイナー(データ作成担当者)へは、マークの使用ルールを示す「表示ガイド」のPDF資料を入れたフォルダごと、バイオマスマークのデータをお渡しするのが親切かもしれないレジね!
デザイン案が完成したら、食品メーカーは、「こんな感じでマークを載せました!」とフィルムメーカーへ連絡します。
そして連絡を受けたフィルムメーカーは「こんな感じでマークを載せますが、これで問題ないですか?」と協会へ確認します。
協会からのデザイン修正依頼なく、そのまま承認をもらえたら、そのデザイン案は校了としてOKです。
上述の流れは、あくまでも一例なので、使用者/使用契約者のどちらが協会へ連絡するべき等の決まりは定められていません(2024年3月時点)。
ただし、この「協会へのデザイン案の連絡・承認を受ける作業」は誰が主体で行うのかは、明確にしておくことをおすすめします。
そうすることで、「誰かが確認していると思っていた」「承認を受けていないデザインを世に出してしまった」といったトラブルを未然に防ぐことができます。
怖すぎる~~~~!!!
HP担当者
コバレジくん
修正が入る可能性も十分にあるから、デザイン案ができあがったら、協会からきちんと承認をもらうまで、実際に金型をおこしたり入稿したりするのは待ったほうがいいレジ…!
ちなみに、当社の開発したバイオマス配合プラスチック「Reseam®」、バイオマスシーラントフィルム「Pireeru®」は、当社が使用契約者として認定を受け、協会へマーク使用料等の支払いを行っています。
そのため、現行素材からReseam®素材への代替、またこれらの素材を使用した新製品の開発においては、お取引先様によるマーク使用料の負担や使用承認手続きは不要です。
このWEBサイトを運用している、新規開発事業部 バイオマスチーム でご提案している案件におきましては、バイオマスマークの適切表示に関して、当社の品証・知財担当部署とともに、責任をもって上市までサポートさせていただいております。
認定番号入りバイオマスマーク
バイオマスマークは、使うシチュエーションに応じて形が異なっており、認定番号入り・認定番号なし(広報用)の2種類のタイプがあります。
まず1つ目は認定番号入りのもの。
外装やトレー、インクなども含め、何かが「バイオマスマーク認定商品であること」を示したい場合は、その商品に該当する認定番号が入ったものを使用します。
前項でも触れましたが、最も大切なのが、協会の承認をもらうこと。
図面やパッケージ、パンフレットなどのデザイン案ができたら、メールで協会へ送付します。
このとき、マーク単体だけでなく、どんな文脈でマークが使用されているかがわかるようにすることがポイント。例えば、展示会パネルに使用するとしたら、そのパネルの見出しや周辺の説明テキストなども含めましょう!
承認がもらえるかどうかは「それを見た人が誤解しないかどうか」が一番の判断基準となります。具体的にどんな誤解が起こり得るか、シリーズ続編では事例を交えてご紹介したいと思います。
(例えば、製品一覧を載せたパンフレット上で、バイオマス認定商品であるものとないものが混在している場合に、全て認定商品であるように捉えられかねない等…意外とたくさんあります!汗)
HP担当者
認定番号なし(広報用)バイオマスマーク
具体的な商品を挙げるわけではなく、WEBサイトやパンフレット上で「バイオマスマークそのもの」の紹介をしたい場合もありますよね。
こんなとき用に、番号の入っていないタイプも用意されています。
この広報用バイオマスマークは、下記「広報用バイオマスマーク使用願」を記入して協会へ提出し、データを入手することになります。
※こちらをクリックすると別タブで開きます:https://www.jora.jp/biomassmark/info/
コバレジくん
もちろん、この広報用バイオマスマークを使用する場合も、「ここでこんな風に使いました」といった報告をして、協会から承認をもらう必要があるレジ!
例えば展示会に出すパネルにマークを載せたいなら、ブース会社さんやデザイン制作会社さんに丸投げでお願いするよりも、出展社が責任をもって手続きを進めることをおすすめします!
HP担当者
誤植トラブルには注意
コバレジくん
当たり前だけれど、仮データやラフ案の段階だとしても、バイオマスマークのデータはネットから拾ってくるのはNGレジ!また、過去に使った別製品のマークをダミーで入れるのも避けるべきレジ。
複数の会社や担当者が関わることだから、ダミーで入れていたデータがそのまま本データにも使われてしまったとか、別の認定番号のデータと差し替えてしまった…なんて可能性もゼロではないもんね
HP担当者
コバレジくん
もしそんなミスがあったとしても、協会からの承認手続きの途中で判明するけれど、一発OKで承認をもらえるに越したことはないレジね!
万が一、正しく記載されていないことが判明すると、日本有機資源協会(JORA)のWEBサイトで「この会社のこの製品で正しく表示されていませんでした」といった旨の開示がされてしまう場合があります。
バイオマスマークだけに限らず、こういった事故は本当に気を付けたいところ…
だからこそ「マークの表示方法が適切かどうか」について、誰が主体となって協会への確認をとるのか?は明確にしておきたいよね!
HP担当者
本記事は2024年3月時点の内容であり、記載ルールは改訂される可能性があります。
また、ここで紹介した内容は基本的なものであり、場合に応じて個別対応がとられることもあります。
万が一マークの誤使用によって問題が生じた場合も、当社では責任を負いかねますので、あくまで補足参考としてお読みいただけますと幸いです。
バイオマスマーク制度に関する詳細は、日本有機資源協会(JORA)へ個別にお問い合わせください。
一般社団法人日本有機資源協会 | Japan Organics Recycling Association (jora.jp)