コラム
2025/06/17
エコな素材=紙、じゃない!?プラスチックが意外とアリな理由

目次
「紙=エコ」のイメージ、どこまで本当?
コバレジくん
紙ストローって環境にやさしいから、最近のカフェでよく見るレジ!
うん、見かけるよね。でも「環境にいい=紙」って、ちょっと立ち止まって考えてみようか。
HP担当者
コバレジくん
えっ……だって、自然に還るし……(小声)
紙にももちろん良さはあるけれど、実は製造の工程で水やエネルギーをたくさん使うケースもあるんだよ。だからこそ、素材の背景を知るのって大切なんだ。
HP担当者
「紙=エコ」という印象は、私たちにとって非常に身近で親しみやすい考え方です。もちろん、紙素材が適している場面もたくさんあります。ただ、製造・流通・廃棄までを通した環境負荷を考えると、必ずしも一概に「紙の方が環境にやさしい」とは言い切れないケースもあるのです。
素材ごとに特性が異なる中で、「何を、どう使うか」を見極めることが、これからの環境対応ではますます重要になってきています。
バイオマスプラスチックという選択肢
コバレジくん
いつだって紙が最強エコってわけではないレジね…?
他に、環境性能を語るうえで注目されているのが「バイオマスプラスチック」!
サトウキビやトウモロコシなどのバイオマス原料を使ったプラスチックのことだよ。
HP担当者
コバレジくん
バイオマスって、自然にやさしいプラスチックってことでしょ?
つまり全部土に還るやつレジ!
ふふ、それよくある誤解なんだ。
…っていうかコバレジくん、なんでも土に還そうとするね…!?
HP担当者
コバレジくん
えっ違うレジ!?
バイオマスプラスチックとは、サトウキビやトウモロコシなどのバイオマス原料を使用したプラスチックのこと。ただし、バイオマス原料使用(バイオマス由来)=生分解性がある、というわけではありません。
たとえば「バイオPE」はサトウキビ由来ですが、生分解性はありません。一方、石油由来の「PBS」は生分解性があります。重要なのは、「由来」と「分解性」は別の指標であり、用途や目的に応じて使い分けることが求められる点です。
アップサイクルで広がる“未来の資源化”
近年、食品残渣や未利用材などの“アップサイクル素材”を活用したバイオマスプラスチックが注目を集めているよ。
廃棄物の削減だけでなく、新たな付加価値を生む点が魅力だね!
HP担当者
コバレジくん
廃棄物でプラスチックができるって……
魔法としか考えられないレジ
ううん、これはちゃんとした技術なんだよ。身近な例でいうと、りんごジュースをつくった後の搾りかす、コーヒーをドリップした後のドリップかすなんかを活用して、うちの展示会で配る袋を作ったことがあるよ。
HP担当者

実際の展示会で使用した袋がこちら。
当社でペレットを作製しました。
コバレジくん
香ばしいコーヒーの香りがするレジ!
たとえば、コーヒーかすを配合した樹脂を日用品に使う例では、色味や質感に“エコっぽさ””ナチュラルな風合い”が出せると好評。環境配慮と意匠性を両立できるのも、この技術の魅力です。
実際どう使われてる?日用品や包装資材の導入事例
コバレジくん
ねぇねぇ、バイオマスプラスチックって、世の中では実際どんなものに使われてるレジ?
たとえば、文房具やカトラリー、レジ袋、食品や化粧品の包装にも使われているよ。コバレジくんの周りにもきっとあると思うな。
HP担当者
コバレジくん
ま、まさか僕、バイオマスに囲まれて生きてたレジ!?
当社のバイオマス素材を例に挙げると、日本理化学工業株式会社様の「ダストレスチョーク」用トレーには、ホタテ貝殻粉末を配合した「ReseamH」が使われています。
また、株式会社日本能率協会マネジメントセンター様が展開する「NOLTY ノート kukuru A5 オーガナイザー」のとじ具部分には、とうもろこしでんぷんを配合した「ReseamST」が採用されています。
そのほか、ノベルティグッズや食品包装などにも活用が広がっています。


“見た目”だけじゃない。本質的な環境対応とは
コバレジくん
紙もそうだけど、やっぱり見た目が「ナチュラル」って、エコっぽくて安心感あるレジ~。
そうだね。でも“安心感”と“実際の環境効果”はちょっと違うんだよ。大事なのは、ちゃんと数字で見ること。
HP担当者
コバレジくん
あわわ、また奥が深いレジ(メモ、メモ)
環境素材を選ぶ際に重要なのは、「どれだけ環境負荷を減らせるか」という視点です。たとえば、LCA(ライフサイクルアセスメント)で製造・使用・廃棄のすべての段階を評価したとき、バイオマスプラスチックは石油由来プラスチックや紙素材よりも大きな環境貢献が見込めるケースがあります。
たとえば、当社が開発した「ReseamST」は、2013年に実施された第三者機関によるLCA評価において、汎用プラスチック(PP)と比べて約32.6%の環境負荷低減が確認されています!
HP担当者
このように、定量的な評価をもとに選定することで、素材選びは“なんとなくエコ”から“確かなエビデンス”へと進化していきます。
「見た目がナチュラル」「分解されるからエコ」という感覚だけでなく、データに裏付けられた素材選定が、これからの環境対応には必要不可欠です。
まとめ:「どう使うか」が未来を決める
コバレジくん
結局、“どれが正解”っていうより、“どう選ぶか”が大事なんだレジね。
そう。素材って、正解がひとつじゃないからこそ面白いんだよ。
HP担当者
“紙=エコ” “プラスチック=悪”という単純な構図ではなく、素材の特性や使い方をきちんと理解し、目的に合わせて選ぶことが大切です。
紙製容器や繊維系素材など、環境配慮に取り組むさまざまな製品が社会に広がる中、バイオマスプラスチックもまた、有力な選択肢のひとつです。
私たちは、素材の特性やライフサイクル全体を踏まえて、「その場に合ったベストな素材選び」を一緒に考えるパートナーでありたいと考えています。素材選定や導入のご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください!